正座は良い運動?
正座は良い運動?
皆様こんにちは。
宮田です。
やっと花粉の時期が終わったと思ったら一番苦手な夏が徐々に近づいてきているのを実感するこの頃です。
本日はタイトルにも書いた通り、「正座」は良い運動かどうかについてお話をさせて頂こうと思います。
先に結論から言ってしまうと、正座は決して良い運動とは言えません。
よくリハビリの際に正座が良いかどうかと聞かれる事も多いので、何故そう言えないかを説明したいと思います。
まず人の身体にはいくつかの関節が存在します。骨と骨が隣接しているとそこは関節と言えます。
膝関節で言うと大腿骨(ももの骨)と脛骨(すねの骨)・大腿骨と膝蓋骨(膝のお皿)が隣接しているので、
それぞれ大腿脛骨関節・膝蓋大腿関節と呼ばれる関節が存在しますが、
本日お話しする正座という運動は大腿脛骨関節の屈曲運動が特に関係します。
正座は理論上、股関節の内旋と呼ばれる運動(今回は割愛)に大腿脛骨関節の屈曲運動というのが複合して行われる事で実施可能になりますが、
大腿脛骨関節が140°屈曲できないと理論上正座は出来ないと言われています。
出来たとしても正座運動は、膝関節の中の軟部組織に強くストレスを加えてしまい、特に「半月板」を傷めてしまいやすいです。
半月板損傷自体は、よくスポーツ選手が競技中に膝をひねったりしてしまう事で傷めやすいイメージがありますが、
膝を深く曲げるだけでも傷めてしまう事は多々あります。特に半月板は水分が豊富な組織ですが、歳を重ねると中の水分が失われ柔軟性が
低下してしまいます。そこに強いストレスが加わった際に亀裂が入ったりしてしまいます。
よくお茶の稽古やお花の稽古をされている方で、何か運動をしていないにも関わらず、
急に膝の痛みが出てきたり強くなったりされた方などは、これに該当している可能性があります。
ただ正座が出来ないと困るとおっしゃる方は沢山いらっしゃいますので、
①正座をする機会はなるべく限定する(日常的に正座はしない、お稽古や特定の時だけにする)
②正座の訓練自体はお風呂の中などに限定する(水の中は浮力があるため、負担が10分の1まで減る)
などなるべく膝関節に強くストレスが加わらないようにご注意頂ければと思います。
膝に関わらず人間の身体は消耗品です。
機械のように取って付けてなどのパーツの交換はできません。
なので日々大事に扱って頂けると良いなと思います。